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10/1/15 更新

023


 

「はぁはぁ…… 長きにわたる修行を終え、ついにLv90になったぞ…」

*そんな無理に説明入れなくても*

「というかですね、
 唯一魔葱らしさをみせた狭間でのグランドクロス狩りが一切語られないだなんて」

*それについては残念でしたね、
 リヒタルゼンの宿からポタを出し続けたハイプリの存在が色々とネックです*

「あいつはサブPCですよ」

*それはしかしどういった存在なのでしょう*

「ポタを出し、ヒールや支援を掛けます」

*誰がですか?*

「そのサブPCがです」

*何ゆえに*

「え、 …自分が必要としているからでしょうか?」

*必要ならばサブPCは何でもするのですか?*

「だって、サブPCだし…」

*そんな理由がありますか*

「溢れた願望が突然に具現化独立した存在、とかじゃだめですかね」

*そういうのは古い時代のギャルゲーでしょう*

「おお、ヴァルキリー様もギャルゲーなんて言葉使うんですね」

*言いますよ、あとキムタクとか*

「ルーンミッドガッツ」

*ええ*




022


 

「教範50のバーゲンセールでもやってるんでしょうか、ははは癌畜どもめ」

*というか、これいつの話ですか*

「よしてくださいヴァルキリー様、そんな難しい話」

*すみません、染色が認められたのです*

「色々と唐突だ」

*悪漢も自身の個をアピールする良い機会じゃないですか?*

「良いんです、自分は群集ですよ」

*今日も控えめですね*

「だって見てください、このポテトチップス(Wコンソメ)を」

*胃がもたれそうです*

「いえそういう話ではありません、とにかく見てください
 個になったが最後、どんな形、大きさだとしても、"ポテトチップ"なんです…」

*寂しげですね*

「解ってくれますか」

*しかし悪漢、このチキンナゲットはどうなりますか?
 数ピースで構成されながらも"チキンナゲッツ"とはされませんが

「近年… 集団生活に身をおきながらも孤独を感じてしまう、そんな若者が増えている
 チキンナゲットは警告します、あえて"ナゲッツ"を名乗らずに」

*ええ、その問題については気付いておりました
 しかし、そんな中、前向きなメッセージを込めた商品を開発してみたのです*

「これは… からあげクン…? い、いや違う…!」

*ええ、それこそが私の希望、その名も、"からあげタチ"です*

「か、からあげタチ!?」

*税込み580円*

「たけえ…」




021


 

「ウォーターボールLv10です」

*たまにはチェイサーらしいこともするんですね*

「ええ、"盗めるものは金を払ってでも盗みたい" を掲げているので」

*しかしどこで使うのでしょう*

「そうですね、アビスレイク1階とか」

*悪漢のDEX値では、1匹倒す間に5匹寄ってきますね*

「男は不器用な位がかっこいいんですよ」

*ターンアンデットに戻してピラミッドダンジョンへ行きましょうよ*

「そ、そうか! これでアヌビスを倒せばいい!」

*どこに水場があるんですか*

「うーむ、言われてみれば確かに、
 ではピラミッド前の水場で、アヌビスが外に出てくる瞬間を待ち伏せましょう」

*はいはい、わかりました*


**********

「……」

*出て来ましたか?*

「静かに! 音を立てると警戒されるでしょう!」

*珍しい鳥かなにかじゃあるまいし*

「…やはり夜が更けるまでじっくり待つべきか」

*それならプパでも叩いてたほうが生産的ですよ*

「というか、夜って来るんですか」





020


 

「なに、船長が現れるだと!?」

*どこに食いついたのでしょう*

「いえ実は自分、海賊王を目指しておりまして、
 …船と聞いては引き下がるわけにいきません」

*若いうちは何にでも挑戦するべきですね*

「話が早い、船内に乗り込みましょう」


**********

「うああああフジツボがぁああああ!」

*ペノメナですよ*

「ひざで猛繁殖するぞおおおおお!」

*人体内での繁殖は医学的にありえないそうです*

「なら怖くもなんともないですね」

*悪漢、"ペノメナ"の攻撃で死にかけてますよ*


「な、なんとか2階に辿り着きました」

*船長の現れるという部屋まであと少しですね*

「が… ぐあッ…!!」

*いきなりどうしましたか!?*

「な… 長い船旅がたたったのか、壊血病に掛かってしまったようだ…」

*船内に入ってから10分も経ってません*

「そして食料をネズミに食い荒らされたうえに、オスマンの船隊が攻撃を仕掛けてきた…」

*わたしには見えません*

「やっぱり無理です、ガレオン級の船が完成するまで待ちましょう」

*あ、居ましたよ目の前です、水吸い上げて威嚇してます*

「仕方がない食らえ! キャロネード砲!」




彼らの航海日誌はそこで終わっている





019


 

『む……? この感じは……、
 ちょっとそこのオマエ、顔を見せてみろ』

「なんですかあいつ突然」

*きっとラッセンの絵を売りつけてきますよ*

「ああ、知ってます、西洋磁器ってやつですね」

*それはマイセンです*

「スタン」

*それはハンセン、しょうもない掛け合いさせないでください*

「詐欺に遭うまえに場をなごませようと…」

『…オマエは多くの経験を積み重ねてきた冒険者のようだな、
 いい目をしている、オマエのような奴は嫌いではない』

「こ、告白された!」

*ですからそういう手法です、テレビで見ました*

「悪い気はしませんが、いい気もしませんね」

*シチュエーションが悪いです*

「じゃあ、幼馴染の子が親の借金の肩代わりに住み込みで働くことになります
 そして彼女は衣服を差し押さえられたので体操着しか着るものを持ってません」

*めちゃくちゃです、なんですかそれ*

「そして告白してきます」

*してきません*

『……、さて、とくに用件があったわけではないが呼び止めてしまったしな』

「こ、こいつ、今更言い逃れしようだなんて遅いぞ!」

*警察につき出しましょう*

『…いや、クエストウインドウをさ……』





018


 

「思うに、レアアイテムです」

*おお、カードですか*

「万人受けのする呼び方をするとそうなりますね」

*そうでない呼び方をするとどうなるんですか?*

「それはまた別の海物語です」

*意味が解らないです、というか考えてなかったでしょう*

「いやまあ、ところでこれ、落とすモンスターと落とさないモンスターの違いはなんなのでしょう」

*え? そうですね、では役職とか*

「ではってなんですか」

*いいですよ分かりました、絶対役職です*

「どうしてそんな変なとこで譲らないんですか、
 というかそれじゃ、部長や社長がカードを持ってるということになりますが」

*そうとも限らないですよ
 持ってないコボルドリーダーや、持っているひらコボルドだっているんです*

「え、うーん、じゃあ外回りの営業とかでしょうか」

*そんなの知りません*

「うわそれ、つまり一周してどうでもよくなった、みたいな」

*だってアヌビスカード安いですし*





017


 

「これがアヌビスか、旨い、そしてでかい」

*大きさは関係あるのですか?*

「サンシャイン20とかじゃ誰も行かないですよ」

*入場の際もれなく図書券が貰えるとかでしたら*

「うーんそれは行き、ですね」

*それに、昨今は何でも小型化の時代ですよ*

「ですがこのままでは、いつか扱える最適サイズに達した後の発展性に疑問が…」

*ええ、わたしも常々そう考えておりました、
 そしてそれに対する答えの一つとして、とあるアイテムの開発を行っているのです*

「おお、さすがヴァルキリー様だ、一体どのようなアイテムなのですか」

*ここに試作品があります、その名もビッグスリムポーション*

「ビッグスリムポーション…!?」

*まず、風の神の力を借りることでスリムポーションの重量を0にまで落としました
 しかしスリムな外観のままでは、いまいちその絶対的な力が伝わり難い、
 そこで大きさを10倍にし、対照的に神の偉大さを際立たせることに成功したのです*

「まさに! 人の子では到達できぬ高みを全身に感じさせる!」

*早速試用してみてください*

「どれどれ……、あ、あれ、でかすぎて飲み辛い、
 というかHPどころかSPにも変化がありませんが、一体何を回復させているのですか」

*寿命です*

「凄いのですけど扱いに困ります」





016


 

『旅人よ…』

「なっ、ダンジョンが喋った!!」

*終末ですからね*

『汝に問う… 朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足… さて、この生き物は何か…?』

「ヴァルキリー様、有名な台詞を言ってますよこいつ」

*はい、実に有名な台詞です*

「しかし、フッ、簡単すぎます」

*珍しく自信満々ですね*

「その答えは… "食事"だ!」

*食事!?*

「自分は昨日の朝、トーストとサラダをニ本の手と一膳の箸を使って食べ、
 昼は定食屋で一膳の箸だけを使用、夜は三つ割れのスプーンでカレーを食べました
 つまり、朝4、昼2、夕3、よって… 答えは"食事"です」

*おお、呆れるほど見事なこじつけです… が、全然生き物じゃないですよそれ*

「いえ間違ってはおりません、なぜなら我々は、
 他の動植物達、つまり生き物を糧にして、命を保っています
 こいつ、スフィンクスは、生きる事の真理を問うたのですよ…」

*おお悪漢……、
 でもそれ、万人に当てはまるとは限りませんが*

「ええ、ですが老人全てが杖を持つとも限りませんでしょう」

*言われてみればそうですね*



『……いや、答え知ってるならさ…』





015


 

「しかし、モロクはほんとにボロボロですね」

*失礼ですよ悪漢、その瓦礫の家は一見魔王に壊されたかに見えますが、
 運悪く完成時期が崩壊と被ってしまった無名な前衛芸術家の作品です*

「え、そうなんですか」

*ええ、元々はあらがうことの出来ぬ人々の心の移り変わりを表現したそうですが
 何も知らずにここを通るギャラリーは、崩壊事件の恐怖、悲惨さを胸に刻んでいくのです*

「確かに、だが気付くはずがない!」

*これがプロンテラ中央にあれば、また印象や評価が違ったでしょう*

「しかし、崩壊したモロクや、そうでないプロンテラは、彼の作品に含まれるのでしょうか」

*そう、と主張するか否かはともかく、結局は左右されてしまうのです*

「な、なぜなんだ…」

*悪漢…*

「どうして我々はこんな話をしているのでしょうか…」





014


 

「と、いう夢を見ました」

*いえ、しっかり折れてます、現実から目をそむけないでください*

「掛かったな、そいつはダミーだ」

*単にもう1本用意していただけじゃないですか*

「という訳でこいつを精錬したいと思います」

*折れますよ*

「折れませんから」


「うあ」

*折れました*

「ダミーですって」





013


 

「見るのはただ、お金は持ってない、心も満たされない
 では、そこになんの意味があるというのか」

*解っているなら狩りに行けばいいじゃないですか*

「それについても解っていますが、何もしたくない日ってあるじゃないですか」

*センチメンタルですね*

「この気持ち解ってくれますか」

*ではそんな悪漢に小話をひとつ*

「語ってください」

*ある女冒険者が、あからさまな横殴りをして掲示板に晒されました*

「ほうほう」

*晒された彼女は自ら掲示板で謝罪をしたうえで、
 『退席中に息子が勝手に動かしちゃいまして><』と弁解したのです*

「色んな意味で難しいところですね」

*ちなみにその息子、今年で36歳だそうで*

「ヴァルキリー様」

*ええ*

「どういう話なのか解りません」





012


 

「狩場より
 降り散る先に
 手毬花」

*…てまりばな?*

「いやあ季語使うだけでそれっぽい」

*花言葉は"約束を守って"ですね*

「そういやアイシラcのこと忘れてました」





011


 

「ほら見てください、これは凄いですよ、妖精がいます」

*普段はもっと形容し難いものを相手しているというのに*

「ああいうのは良く解らなさすぎて物語性がないんですよ」

*妖精にはそれがあるのですか?*

「ありますね、まず奴らはイタズラ好きで食器やらを隠します、更に木の実を食います」

*それのどこが物語なんですか*

「うわ、なんてことを、今の発言で確実に妖精の機嫌を損ねました」

*攻撃されているのは悪漢ですよ*

「そういうのとは別です、機嫌を損ねるとまじないの類を使うのです」

*一体どんな効果なのでしょうか*

「家中が水浸しになったりしますね」

*もっとこう、血液を凍りつかせたりくらいできないのでしょうか*

「やめてください妖精はそんなことしません! だって輪になって踊るんですよ!?」

*そ、そうですかすみません、しかし…*

「しかしなんですか!?」

*悪漢、その妖精の攻撃で死んでます*





010


 

「うすら寒い島ですね」

*北国ですからね、あとそれを言うなら"肌寒い"ですよ*

「ああそっか北国だからか、みんなのゴルフ、略してモンゴル」

*違いますよここはソ連です*

「い、いや、ヴァルキリー様、ロシアですから」

*解ってるなら早く船に乗ってください*

「酔うからイヤなんですよね」


**********

*島が見えてきましたけど、…船酔いは大丈夫ですか?*

「…… 無理ですとも」

*そんなに苦手なら飛ばしましたのに*

「…できるんですか、それこそ言ってくださいよ」

*飛ばせます*

「い、いえ、もう目と鼻の先ですから、それより酔い止めとか無いですか…?」

*ではこれをどうぞ*

「え、本当にあるのか、…ってなんだこれ」

*レッドブル、翼を授ける*

「  」





009


 

*その後、彼の姿を見た者は誰もいなかった*

「死にましたけどまだ死んでませんよ」

*結局何ができるんでしょうね*

「知りません今日はもうほっといてください」

*いいんですか? それならプロンテラ南覗いてきちゃいますけど?*

「な、なんですかそれ」

*趣味です*

「意外と俗っぽいですね、女神ですし瞑想とか写経だと思ってました」

*さあ、本日もやってまいりました"プロ南アピール大会"
 今回の対戦カードは 女ハイプリVS女ハイプリ 早くも試合が白熱している模様です*


**********


 『なんか最近のテレビってつまんないよねw』

  『ん? もともとあんまり見ない人だから』

 『あーなんかわたしも昔そういう時期があったなー』

  『というか最近忙しくてさ、だからRO入る暇もあんまり無いww』

 『まあ、特にすることもないしw なんかやり尽くした感があるよね
  初心者さんとか見るといいなーって思う』

  『あるあるww』

 『そういえばあの装備買ってみた』

  『ああ、あれね実装初日に出して使ってもう売ったな、結構良かったよ』

 『レア運良すぎwww』

  『wwww』

  『あ、ご飯作ってくるw』

 『わたしも出かける用事あるから落ちw もう時間無いw』

  『いってらっしゃいw』


**********


「……」

*面白いです*

「は、はあ」





008


 

「こんにちは邪教徒、幸福にして頂けると聞いてやってきました」

*もう少し穏便に接しましょうよ*

「チッそうですか、まあヴァルキリー様がそう仰るなら」


**********

「お待たせしました、なんとか聖域に入れそうです」

*…なにやら怪しげな雰囲気のアイテムを、色々と買わされていたように見えましたが*

「いやいやいや、凄いんですよ見てくださいよこのネックレス
 なんでも"ミサンガに含まれる成分を40倍に濃縮配合して作られた"んだそうで」

*ミサンガ1本に、何という成分がどれだけ含まれてるのでしょう*

「いやでもこれ、鈴が付いてて、急進派から襲われにくくなる効果もあるって」

*急進派は熊ですか*

「じゃ、じゃあ、これはどうですか今度は実用的ですよ
 通常のものよりATKが35も高くて強い、その名も"月光剣R"です!」

*あらゆる意味で騙されてますよ*

「いやでもこれもやっぱり鈴が付いてて、急進派から襲われにくくなる効果が…」

*……*

「ま、待ってください! まだこの"業界初、ノー反発まくら"が!」

*それで鈴3つ目ですね*

「……」

*さあ早く、聖域へ向かいますよ*




**********


「あ、普通に敵襲ってくるし」





007


 

「ッ…! またアインブロック行きだと!」

*そのようです*

「もうかれこれ3時間は飛んでいます」

*どう、思われますか?*

「フレイヤ神殿側からの先制攻撃、とみて間違いないでしょう」

*ほほう*

「自分は、以前も同じような目に合いました、
 その時はジュノーから別の飛行船に乗り換えることで難を逃れたのですが…」

*悪漢…*

「ええ……」

*乗り間違えたんですね…*





006


 

「ふーむ、…… カツアゲ」

*おお、精一杯搾り出して考えた、
 "自分的ヤンキー座りに最も似合う一言"がそれだったのですね*

「ヌンチャク」

*無理をしすぎです、ほら、見た目が変わっても自分らしくが一番ですよ*

「そうか、そうですよね! だって見た目じゃ強さは変わりませんしね!」

*というか悪漢、あなた、レベルが上がってもなぜかダメージが全く増えませんが、
 一体何のステータスを増やしているのですか?*

「断然断トツにINTですね」

*どうしてまた*

「だってほら、頭脳一つでピンチを切り抜けるとかかっこいいじゃないですか」

*おお、そういう状況に憧れだったんですか、
 では手始めに密室に送ってさしあげましょう、ヒントを見つけて脱出するのです*

「それは不可能ですね」

*まだ挑戦してもいないのに早いですね、なぜ無理だと思われるのですか?*

「なんとなく密室という響きで」

*ああ一切の知性の欠片すら感じられない*

「とにかく! 自分は決めた道を進みます」

*そこまで仰るのなら、仕方がありません
 そうですね… それでは転職のお祝いも兼ねてこれを差し上げましょう*




「これは…!」

*その王冠にアイシラcを挿せば必ずや、足りない知力の支えとなるでしょう*

「おおお、ありがとうございます
 ところで肝心のアイシラcが見当たりませんが…?」

*それはご自分で手に入れてください*

「いいじゃないですか、くださいよ」

*空の缶詰とツナを渡したなら未開封のツナ缶を作れますか?*

「無理です」

*しかし悪漢、あなたはカードを組み合わせることができます*

「た、確かに!!」

*さあアイシラcを手に入れるためフレイヤ神殿へと向かいなさい*

「露店見に行くとこでした」





005


 

「光ってますかね」

*そうですね光ってますね*

「本で転送ってどういうメカニズムなんですかね」

*神の御心です*

「聖職者のワープポータルも?」

*神の御心です*

「ならば一昨日うっかり傘を起き忘れたのも」

*それはただの不注意です*

「そうですか… あ、それじゃ買ったばかりの本のページが折れてたりしたのは」

*早くそれを読んでください*

「いやー、転送ってなんか怖いんですよね…
 "ハエ男の恐怖"って映画知ってますか? 確かあれは転送事故で男の身体が…、」

*はいはい、じゃあわたしが送りますから*

「え、そんなこと出来るならわざわざこんなとこま… な… で… ……!!」


**********

「……」

「ここは…」




「…! あ、あなたはもしかして… ヴァルキリー様!!」

*…… どうですか? ちゃんと着きましたか?*

「え? な、な、なに言ってるんですか目の前ですよ! あ、実はド近眼とか」

*ああ、いえ、そこはわたしの管轄ではないんです、
 つまりその方はまた別のヴァルキリーというわけなんですね、 ふふ、期待しましたか?*

「おお、そうだったのですかそれは失礼しました、
 期待、ええ、そりゃ声だけしか聞こえませんから気にはなりますよ」

*そうでしょうそうでしょう*

「手足6本顔3つだったり、表面が鱗に覆われてたり、絶えず猛毒を吐き続けているかも、とか」

*無人の島へ飛ばしてさしあげましょう*

「あ、いや冗談ですって、でも見た目だけ幼女だったりしないかな、とは思ってますから!」

*どうしてそれでフォローになるんですか、いいからもう転職してください*



**********

「お、見つけました、相変わらず馴れ馴れしいオーラが出てるな、
 ほんとヤバいですよね、こいつら、自分から"お仕事なにしてんすか?"って聞いといて
 こっちが"無職"って返すとすげー顔が引き攣るんですよ!? あはははは!」

*そうですね頑張ってください*

「…はっ! ぜ、全身から力が湧き出て…! こんな会話の最中で転職させられるのか…!」




「…… こ、これがチェイサー!」

*やりましたね悪漢*

「ええ、力が抑えきれない、今の自分ならアスムプティオが使えそうだ」

*それは課金アイテムです*

「敵の攻撃に倒れてもすぐさま起き上がれる気だってする」

*それも課金アイテムです*

「あ、ところで最初に仰られた目標を達成しましたが、自分は今後どうすれば?」

*いえ悪漢、この先更に、"3次職"というものが待ち受けているのです
 いまだ見ぬそれを人々は… "シャドウチェイサー"と呼んでおります*

「しゃ、シャドウチェイサーだって…!?」

*まだまだこれからですね*

「そ、そんなことになったら… 自分は…
 30分間得られる経験値が1.5倍になってしまうのではなかろうか!?」

*…あの、課金アイテム好きなんですか?*





004


 

「!!! ついにやりましたJob50です!」

*おめでとう悪漢、わたしも人事のように嬉しいです*

「おお、間違えたのか本音なのか判断しにくい」

*しかし、なぜわざわざカンストまで上げたのですか?*

「いつか未来、インベナムが恐ろしい大ダメージを与える時代がやってきたときに困るでしょう」

*夢は見るものですね、鬼が大爆笑ですよ*

「なんとでも言ってください、それよりも、さあ、転職はどこで行うのですか」

*まずはジュノーの街へ向かってください*


**********



「うーむもの凄い街だ、見渡せる範囲だけでも一体幾つの石が使われているのか…
 …クッ、これだけあれば、どれ程の貧しい異国の子供達の空腹が満たされるだろう…!」

*…… 悪漢は石をお食べになられるんですか?*

「ははは、やだな自分はムリですよ、でも異国とかなら食べそうじゃないですか」

*まあ救いたいという気持ち自体は素晴らしいですね、
 ではまずは身近なところで、ご自分の頭からなんてどうですか*

「裕福過ぎてバチが当たりますよ」

*いえ、大丈夫だと神が保障します*

「とりあえず転職させてください、あの建物の中で本を読むんでしたっけ?」

*その通りです、さすればヴァルキリー神殿への道は開かれるでしょう*

「ヴァルキリー神殿だって…!?」

*ふふふ、驚いていますね悪漢*

「ええ… ハトに豆鉄砲を撃ち返されたくらいびっくりです」

*それは驚きますね、そういえばわたしも先日、生卵を割ったら…*

「黄身が二つですか!?」

*いえ、菊丸が三人いました*

「マジですか、病院行きましょう」





003


 

……

*むかしむかしのお話です*

「突然なんですか」

*まだモロクの街の生物が全滅していない頃、*

「いやぼろぼろですけどまだ人住んでますよここ」

*そうなんですか、聖戦に備えるチャンスと結構な数連れていったはずなのに*

「そこは遠慮してくださいよ、というかモロクにはそんなに凄い人ばかり住んでたんですか?」

*いえ、殆どはリサイクルに回すことになったような*

「…リサイクル?」

*ええ、なにやら専門の業者と名乗るところが無料で回収してくれまして*

「……」

*どうかしましたか?*

「いやところで、生体研究所のリムーバが増えたらしいですね」

*そうなんですか、オチはどこですか?*

「自分が聞きたいです」



**********

「…ふう、いやあ今日も頑張りましたね、転職まであとJob5つですよ」

*お疲れ様です悪漢*

「あれ、そういえば、先ほどの昔話の続きはどうなったんですか?」

*…? 今頃なにを言ってるんですか? そんな何時間も前の話なんて覚えてませんよ*

「…… ああ、はい、ですよねー」





002


 

「えーと…、なんでこんな事に?

 たしか、ヴァルキリー様に言われるがまま、シーフ転職所へ向かい…

 ……」


**********

「自分を転職させてくれるというのはあいつですか?」

*そう、そのいかにも守銭奴っぽい彼女です*

「うわ、よしてくださいよ
 自分は心の中でだけギッタンギッタンに相手を見下すタイプなんです」

*卑屈ですね、口からこぼれ出たりはしないのですか?*

「ありえないですね、人生、山も谷も無し がモットーですから、まあとりあえず行ってきます」


「どうも、こんにちは」

 『あれ、どこかで見た気がするね、兄弟でもいるのかい? それとも昔に転職させた奴か?』

「……」


「聞きましたかヴァルキリー様…? Theタメ語って感じですよ
 彼女はずばり美容師ですね、自分はそういったタイプのやつが苦手なんです」

*…そんなにシーフになるのが嫌なのですか?*

「おお、鋭い、はい嫌ですね、自分はもっと明るく朗らかに生きたいんです」

*しかし悪漢、こんな言葉があります*

「ほう」

*神は人々を造りあげたが、人々は農薬を水洗いしてオーガニックに野菜を育てあげた、と*

「……、ふーむ! なんだかやる気が沸いてきました…!」

*そうでしょうそうでしょう、それでは転職しなさい*

「ええ望むところです」


**********

「さあ、これからどうすれば!? なんかテンション上がってきました
 この溢れんばかりの力、プロすべての高級露店に枝を折ってぶつけてやりたい位です」

*いちいちはた迷惑なやる気の表れ方ですね、向いてますよシーフ*

「褒めるよりも早く、今の自分に見合った強大な敵を提示してください」

*そうですね、遠く北西の地に、道を外れたバード達のなれの果てが住み着いた聞きます
 その名をヒルウィンド、というそうで*

「おお、『夢はオリジナルバンドでメジャーになることさ(フリーター38歳)』って感じですね
 ふふん、良いでしょう、自分が現実へと引きずり戻してやります」

*特別にそこまでワープさせてあげましょう、驚くほど一瞬で*



**********


「ああ、そうか、そうでした、というわけで見事、着いて2分でやられたのですね」

*なさけないことです*

「街に戻ったらすぐにワープさせるものだから、10秒間隔でループですね
 現在、それをかれこれ17回ほど繰り返しております」

*痛ましいですね*

「ところで5回目辺りから疑問に思っていたのですが…」

*恋人は募集中ですが、できれば所得の多いお方が好ましいですから*

「いえ、違います、自分が聞きたいのはですね
 確か普通は"HPバー"なるものが視覚できるはずなのですが」

*撮影用に外しております、常に*

「仰る意味が理解できませんが、出してください」




「……」

*満足いただけましたか? もうよろしければ外しますよ*

「いや見えないから死ぬんですって」





001


 

*…っ…かん…… 聞…ますか?*

……

*悪漢よ、聞こえますか?*

「……? こ、声が… クッ、頭が割れるように痛む…!!」

*気付きましたか? ところでその台詞は雰囲気で使ってみたかっただけでしょう?*

「はははバレましたか …って、はっ!? 自分は一体誰と喋っているのだろうか?」

*迷える癌畜よ、良く聞きなさい、わたしは女神ヴァルキリー
 あなたを正しいならずの道へ導く為、直接頭に話しかけております*

「マジですか、なんだか悪徳商法みたいだ」

*失礼ですね、身の程をわきまえなさい、ついでに無料です
 ところで、あなたは今、何一つとして自分のことを覚えていないでしょう?*

「な、なんと! 確かにその通りだ! 凄いですね、もしや超能力者ユリゲラーですか?」

*ちゃんと話を聞きなさい、わたしは女神ヴァルキリーです*

「興奮してきました」

*そうでしょうそうでしょう*


「……」

「え、で …じ、自分は何者なのですか? そしてこれからどうすれば!?」

*教えましょう、あなたは特別な要素など持たないごく普通の 人間(男) です
 レベルを上げなさい、その意味など考えず、…そうですね、まずは転職を目指しなさい*

「おお、命令されるとドキドキします、踏んでください」

*そうですか、ウルフを狩るべきです*

「え、しかし… ナイフ片手にシャツ一枚という妖しくも弱弱しいルックなのですが」

*仕方がありません、ではわたしが武器を授けましょう*



「おお凄い! …… しかしなぜ、アックス!?」

*神の起こした奇跡です*

「興奮してきました」

*そうでしょうそうでしょう、超強マインから斧を作り出すことなど容易いのです*

「うわ、戻して」


**********



「狼を狩るという行為は実にノスタルジックだった、満足度が高い」

*JobLvが10になったようですね、足早に転職所へと向かいなさい*

「そうですかじゃあ自分は剣士になろう、
 ムキムキの身体から生まれる男の肉の力でブイブイいわしてやりたいです」



「…ん? あれ? 受け付けられない?」

*残念ながら、剣士にはなれません
 なぜならあなたは"転生"を経てこの世に降り立った身だからです*

「なっ、なんと! で、では自分は何に転職を…!?」

*ずばり、シーフです*

「…ばかな、将来のレールが薄汚くけちで底辺で臭いこそ泥に決まっているだなんて…
 い、いや… ということは転生するまえ自分はつまり…!」

*鉱山夫でした*

「え! 冒険者ですらない」

*良く聞きなさいそして受け入れなさい、過去がどうあれあなたは悪漢です*

「悪漢…」

*進みなさいならず道、目指しなさいギャングスター、わたしはそのしるべとなりましょう*

「興奮してきました」

*そうでしょうそうでしょう*



**********

──世界は自分を中心に自分を無視しながら廻り続けている、 だから書くんだ──








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